大判例

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福岡高等裁判所 昭和29年(う)1932号 判決

本件日本刀が所論の通り銃砲刀剣類等所持取締令第七条による登録済みのものである(但し該登録は申請者秋吉大のために為されたものと認められる)ことは福岡県教育庁教務部社会教育課長名義の回報書(記録八四丁)の記載等に照らし明らかな所である。而して、同令第二条がその本文において一般的に刀剣類の所持を禁止し乍ら、その但書及び第四号において右第七条の規定による登録を受けたものの所持を右一般的な禁止から除外していることも、亦所論の通りである。しかし、以上各規定の趣旨を総合的に考察すれば、上叙除外の趣旨は、右第七条第一項にいわゆる「美術品として価値のある刀剣類」を文化財として保護することに存するものであることが明らかであるから、いわゆる登録済の刀剣類であつても、右の趣旨を全く逸脱し殺傷暴行脅迫等違法な目的のために之を所持する場合にはもはや右第二条第四号所定の除外事由に該当しないものと解するのが相当である。然らば、原判決が、結局右と同旨の見解から、喧嘩当事者の一方に応援する目的で登録済(但し被告人自らは固よりその前主のための登録でもない)の日本刀一振を携行所持した被告人の本件所為に対し同令第二条第二十六条第一号等を適用処断したのはまことに正当であつて、この点に関し所論の様な法令の適用を誤つた違法は存しないので、右論旨も亦採用することができない。

(裁判長裁判官 高原太郎 裁判官 吉田信孝 裁判官 中村荘十郎)

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